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SF界の巨匠・平井和正さん死去 享年76 だと?

2015/02/15

「ウルフガイ」シリーズ「幻魔大戦」で知られるSF界の巨匠・平井和正さん死去

東スポWeb 1月18日(日)

平井和正「ウルフガイ」シリーズ、「幻魔大戦」などで知られる作家の平井和正さんが17日に死去した。76歳。18日、平井さんの公式サイトで発表された。
同サイトでは「平井和正 儀、かねてより病気療養中のところ、平成27年1月17日、76歳を以て、永眠いたしました。長年にわたって皆様より賜りましたご厚情に心より感謝致します」と報告。ツイッター上では作家の高千穂遙氏や「幻魔大戦 Rebirth」などで平井さんと関わりのある漫画原作者の七月鏡一氏などが相次いで訃報を伝え、SF界の巨匠の死をいたんだ。
平井さんは神奈川県・横浜市出身。1962年に商業作家としてデビューし、翌年には漫画「8マン」の原作も担当。アニメ化された際には脚本も務めた。67年には石森章太郎氏と共同原作で漫画「幻魔大戦」の原作も手がけており、83年には映画化もされた。
小説家としても71年に発表した「ウルフガイ」シリーズが大ヒット。日本SF界に大きな影響を与えていた。

SFハードボイルドというなかなかおもしろいジャンルで読ませてくれたウルフガイシリーズ。石ノ森章太郎漫画で広く読まれた幻魔大戦。アクションシーンやSFらしい道具立てで漫画ならではの広がりがワクワクさせられたものだが、特に幻魔大戦では、宗教家との出会いの影響か、幻魔という外宇宙の敵を象徴として、人間の心の中の「善と悪」を掘り下げ、ほとんど宗教的な読み物とさえ言える長編になっていた。欲望や利己的な心を食い物にする幻魔とはキリスト教的に言うと悪魔であり、現代社会は資本主義の亢進とともにこの幻魔に侵食されているような気もする。政治屋の顔を見ると幻魔に見える。幻魔大戦は、主人公たちが高校生ぐらいだったかな?そんな立ち位置で書かれているので、若く、色んな意味で大人になる前に、インチキと詐欺まがい、金欲と権力欲の社会に打ちのめされる前に、フォースのダークサイドに落ちる前に一読されることをお勧めする。

平井 和正(ひらい かずまさ)

1938年(昭和13年)5月13日 - 2015年(平成27年)1月17日
神奈川県横須賀市生まれ。小説家、SF作家。
神奈川県立横須賀工業高等学校を経て中央大学法学部卒業。娘は漫画家の平井摩利

1938年(昭和13年)、横須賀市に3人姉弟の長男として生まれる。手塚治虫の影響を受け、中学2年生で大学ノートに処女小説『消えたX』(長編SF)を執筆、級友に回覧され人気を博し、小説家を志す。
1959年(昭和34年)、ハードボイルド小説『夜の干潮』が中央大学ペンクラブ会誌『白門文学』に掲載され、作品が初めて活字になる。
1961年(昭和36年)、『殺人地帯』が『SFマガジン』の第1回空想科学小説コンテスト(ハヤカワ・SFコンテストの前身)で奨励賞を受賞する。
1962年(昭和37年)、同人誌『宇宙塵』に発表した『レオノーラ』が『SFマガジン』に転載され、商業誌にデビューした。
1963年(昭和38年)、原作を担当した漫画『8マン』(画:桑田次郎)が『週刊少年マガジン』誌上で連載開始。この漫画は『エイトマン』としてテレビアニメ化され同時期の『鉄腕アトム』と並ぶ大ヒット作となる。当時はテレビアニメ創成期でSFを理解できる脚本家は少なく、原作者自らがシナリオを担当したほか、豊田有恒ら同時期デビューのSF作家仲間も脚本家として参加した。
その後も漫画原作を手がけ、『エリート』(画:桑田次郎)、『超犬リープ』(画:桑田次郎)、『幻魔大戦』(共同原作および画:石森章太郎)などを相次いで発表する。
1968年(昭和43年)、初の長編小説『メガロポリスの虎』を発表。この時期は「虎の時代」と呼ばれる。
1969年(昭和44年)に発表した長編第2作『アンドロイドお雪』が好評で小説家として蘇生する。しかし、同年、『狼男だよ』改竄事件が起こる。出版社に抗議したことにより、翌年に正本が出版されたものの、一時期、大手出版社から小説を出せなくなる。
1970年(昭和45年)、『スパイダーマン』(画:池上遼一)に漫画原作者として途中参加。また、『ウルフガイ』(画:坂口尚)も手がける。なお、『スパイダーマン』に提供したストーリーの中には、すでに短編小説として発表されていた作品のアレンジ版や、後年『アダルト・ウルフガイ』シリーズに取り入れられるものも含まれていた。
1971年(昭和46年)、漫画『ウルフガイ』を小説化した『狼の紋章』を日本初の書き下ろし文庫本としてハヤカワSF文庫から発表。そのあとがきには当時の作者の心境が書き綴られ、書籍のあとがきのイメージを変えた。その後の多くの平井作品のイラストを担当する生頼範義とのコンビもこの作品が最初である。同年には日本SFにおけるサイボーグテーマ作品の代表作『サイボーグ・ブルース』や、日本初のハチャハチャ小説『超革命的中学生集団』も書籍化され、小説家として再々スタートの年といえる。後の幻魔大戦シリーズに繋がる劇画ノベル『新幻魔大戦』(画:石森章太郎)を『SFマガジン』に連載したのもこの年。翌年以降も『ウルフガイ』『アダルト・ウルフガイ』『ゾンビー・ハンター(死霊狩り)』などのシリーズ作品が大ヒットし、読者に支えられ人気作家となる。当時はファンレターにも全て返事を書いていたが、爆発的に増えた読者からのファンレターへの対応が創作活動に支障をきたすまでになる。この時期は「狼の時代」と呼ばれる。
1976年(昭和51年)、GLAの高橋佳子と出会う。人生観の激変により、当時執筆中だった『アダルト・ウルフガイ』シリーズも路線変更となった(『人狼白書』以降)。一時期はGLAに関わり、高橋佳子の著書『真創世記』の編集協力も務めた。その後、宗教団体とは距離を置くことになるが、作品には作者の宗教観が反映されるようになる。『人狼白書』から『真幻魔大戦』(後述)にかけての時期は「天使の時代」と呼ばれる。
1978年(昭和53年)、『死霊狩り』を完結させ、それまで自身の作品テーマとしていた「人類ダメ小説」にピリオドを打つ。この頃、中島梓が平井を「言霊使い」と評したのをきっかけに自身でも「言霊使い」を名乗るようになる。
1979年(昭和54年)、自身がライフワークと公言する小説版の幻魔大戦シリーズ『幻魔大戦』『真幻魔大戦』に着手(執筆開始順としては『真...』が先)。その後、約5年間にわたり日常生活のほとんどをこの大長編シリーズの執筆に費やす。毎月、数百枚に及ぶ緻密な文章の小説を書き続けるうち、激痛でペンが握れなくなったため1980年代初頭に当時発売されたばかりの富士通製ワープロOASYSを購入、以来親指シフトキーボードを愛用し作品を量産している。
1984年(昭和59年)、偶然に高橋留美子の漫画『めぞん一刻』を読んだことにより、再び転機が訪れる。また、当時、生頼範義の後を受けるイラストレーターを探していた平井はムック誌『平井和正の幻魔宇宙』の投稿イラストから当時15歳の泉谷あゆみを抜擢。泉谷は1985年(昭和60年)に『Wolfcrest』(講談社英語文庫)の挿絵でイラストレーターとしてデビューし、翌1986年(昭和61年)には17歳で単行本『ハルマゲドンの少女』のイラストを手がけた。
1985年(昭和60年)、「犬神明の言霊が来た」という理由で『真幻魔大戦』を突如中断し、それまで同作が連載されていた『SFアドベンチャー』誌に『黄金の少女』を連載開始。これにより、『ウルフガイ』シリーズ再開となった。
インターネットが普及する前のパソコン通信の頃からネットワーク上での活動を行っており、近年は『週刊アスキー』にパソコンの利用レポートを不定期に掲載したり、自らWebサイトで積極的に情報を発信するなど、ITにも明るい一面を見せる。『ボヘミアンガラス・ストリート』は、1994年(平成6年)に書籍の刊行に先立ちアスキーからオンラインノベルとしてパソコン通信商用ネット10社で提供され、オンライン出版のさきがけとなった。現在では、過去の作品を含めたほとんどの作品を電子書籍としてWebで発表・配信し、携帯電話への作品配信もその最初期から行っている。
2015年(平成27年)1月17日、急性心不全により神奈川県鎌倉市の病院において死去。76歳没。

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