iPod classicはこのまま終了──消えた理由をAppleのクックCEOが説明
ITmedia ニュース 10月28日(火)21時5分配信
携帯音楽プレーヤー「iPod classic」が最近Apple Storeから消え、長年のファンを落胆させている。2001年に初代が発売された、クリックホイールとHDD搭載のiPod classicはこのまま姿を消すことになるという。米国でイベントに出演した米Appleのティム・クックCEOがその理由を説明している。
米メディアによると、米Wall Street Journalのイベント「WSJ.D」に出演したティム・クックCEOは、HDD内蔵のiPod classicを製造するのに必要なコンポーネントやパーツが既に入手できなくなっていると説明。classicユーザーは減少している上、コスト問題からも今後classicの新モデルを導入する予定はないという。
iPod classicは主に東芝製の1.8インチHDDを搭載していた。東芝は1.8インチHDDの新製品として2011年に220Gバイトモデルを発表しているが、現在、東芝のHDD関連サイトには1.8インチHDDの情報は掲載されていない。
160Gバイトのclassicが終了した代わりに、128GバイトのiPod touchが登場すると予測する向きもある。
先日(発表イベントを開催した9月9日)iPhone4sとともにApple Storeから消えたiPod classic。つまりApple Storeから30ピンコネクタ製品がなくなった。これまでもAppleはレガシー規格や製品にこだわらずに、新たな製品を市場へ送り出すことで評価を築いてきたわけだが、そこが魅力でもあり、またそこで生まれたヒット商品を手にしたユーザーにとっては周辺機器、サードパーティ製品も含め買い替えを余儀なくされてきた歴史がある。電子機器やコンピュータ関連機器にイノベーションは不可欠なのだが、そこにはロングセラーは存在できない。長く製品を使うこともなく、愛着が製品ではなく、その世界観やブランドにしか持てない部分が歯がゆくもある。今にして思えば、初代iPodのスクロールホイールは、Sonyのビデオデッキやビデオの編集機みたいな操作感でなんとなく家電の感触を感じた思い出がある。それが電子的な「タッチホイール」に変わり完全な電子機器、シリコンオーディオへと進化した。そのiPod classicが終わりを告げるのだが、実はその初代のスクロールホイールが来年出るであろうApple Watchで復活(竜頭の部分)するという。電子機器にも遺伝子があるかのような進化。Appleは面白い。