iPS細胞使い肌細胞若返り 67歳→36歳 コーセー
朝日新聞デジタル 10月16日(木)6時40分配信
コーセーは15日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使い、67歳の日本人男性の肌の細胞を、同じ人の36歳時点の肌とほぼ同じ状態に若返らせることに成功したと発表した。同じ人から1980年以降、定期的に提供を受けていた、36~67歳の五つの異なる年齢の肌の細胞を、京大のiPS細胞研究所でiPS細胞にした。同社が分析したところ、老化の指標となる染色体の状態は五つのすべての年代で回復し、67歳時点のものも36歳時点とほぼ同じ状態になった。
同社は今回の結果を使い、老化のメカニズムを解明していく。まだ基礎研究の段階だが、将来的には、一人ひとりの肌アレルギーに対応したオーダーメード化粧品の開発にもつながるという。
日本のiPS細胞研究はどこまでフリーハンドでいられるのか?
多くの人がiPS細胞に期待や望みを寄せているのは間違いないことだし、山中教授や京都大学iPS細胞研究所が世のため、人の幸福のために頑張っていることは疑いの余地はない。しかし、こと厚労省や製薬会社、医学会など巨大利権グループがそこに関わると、様相は不透明性を増す。現在の研究が、利権の薄い難病系に集中しているのはその辺の事情もあるのではないだろうか。対象が難病であるのは、それはそれで意味のあることだし反対する理由もない。しかし、利権構造が限られ、比較的フェアな土壌がある欧米などでは、波及効果や対象患者数の多い疾病に重点が置かれることは間違いなだろう。既存の利権者である巨大製薬メーカーなどは、自らが市場の代替者として存続すべく再生医療に取り組んでいるはずだ。外資系までしたい放題の利権構造の強固な日本で、多くを期待するすべもなく、諦めつつ大所高所からの視点、世界の再生医療の発展のために基盤の部分で支えるのが日本のiPS研究者たちの立ち位置なのかな。コーセーなど化粧品メーカーは、巨大利権の本丸ではなく外縁部にいるために、こういった研究に気兼ねなく取り組めるようで、自分には無縁であるがエールを送りたい。(将来的に目指すところには一抹の疑問を持つが、これが目くらましであれば良い)しかし「若返り」などというテーマが出てくると、老人権力者たちが愛人の求めに応じて我先に動き始めるかもしれませんな。