<遺伝性難聴>遺伝子治療で聴力改善…マウス実験で成功
毎日新聞 4月6日(月)
患者の最も多いタイプの遺伝性難聴に対し、遺伝子治療によって聴力を回復させるマウスの実験に世界で初めて成功したと、順天堂大と理化学研究所などの研究チームが6日、発表した。将来はヒトの遺伝性難聴でも根本的治療法の開発が期待できるという。
順天堂大・理研チーム発表
遺伝性難聴は約2000人に1人の割合で発症する。原因となる遺伝子は60種以上の報告があるが、中でも「GJB2」遺伝子の変異が半数を占めるとされる。生まれつき耳が聞こえない例が多く、日本人の患者数は推定3万人以上という。
順天堂大の池田勝久教授(耳鼻咽喉(いんこう)科学)らは「GJB2」遺伝子を欠いたマウスを作製。このマウスが生後間もない時期に、内耳に正常な遺伝子を入れると、入れなかったマウスと比べ聴力が1~4割改善した。遺伝子を欠いたマウスは、内耳の中で音を感受するコルチ器が形成されないが、遺伝子治療を実施すると発育が改善された。
ヒトへ応用するには、内耳が形成される胎児期に治療をする必要があるが、池田教授は患者の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って、生後に遺伝子治療を実施する研究も進めており、「今回の成果は、将来、臨床応用を実現させる大きな力となる」と話す。【千葉紀和】
2000人にひとりの割合で発症、日本での推定患者数30,000人以上というのは大きな数字だと思われる。遺伝子の変異が特定されており、さらにiPSという新たな手段を手にした現在、直ちに今すぐとまでは行かないにしても、将来誕生する生まれつき聞こえない人々への福音であることは間違いないだろう。現在遺伝性難聴で暮らしと戦っている方たちにとっても、自らの子供を持つことへの希望につながる。妙な医療利権に阻まれずに臨床への取り組みを続けていただきたいものだ。
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