訃報 山本重雄さん59歳=「世界の山ちゃん」創業者

健康・医療

毎日新聞2016年8月21日

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居酒屋チェーン「世界の山ちゃん」の創業者でエスワイフード会長の山本重雄(やまもと・しげお)氏が21日午前7時54分、大動脈解離のため名古屋市の名古屋市立大病院で死去した。59歳。岐阜県出身。葬儀・告別式は23日午後1時から名古屋市千種区千種2の19の1、いちやなぎ中央斎場で。喪主は妻久美(くみ)さん。
1981年に名古屋市で1号店を開業。名古屋名物の手羽先を看板メニューとして、国内では愛知県を中心に北海道や関東、関西などで店舗網を拡大させた。エスワイフードのホームページによると、香港やタイ、台湾にも進出している。(共同)

59歳、まだまだ現役で活躍できる年齢なのにお気の毒である。
大動脈は3層構造を持っているが、何らかのきっかけでその真ん中の層の膜(中膜)に血流が入り込み大動脈の層構造が別々に剥がれてしまう病態を大動脈解離という。この症状には特に瘤の形成が現れないことも多いために解離性大動脈瘤とは混同してはいけない。解離性大動脈瘤と呼ぶには大動脈の径が拡大して瘤形成を認めた場合にのみである。

「Wikiより」正常な層構造が壊れた大動脈は弱くなり、最悪の場合破裂してしまう。また、大動脈の出発点である大動脈起始部(バルサルバ洞)から心臓にかけて解離が進めば、そこから出ている冠動脈の血流を阻害して心筋梗塞を起こしたり、大動脈弁輪拡張に伴い大動脈弁を壊したり(大動脈弁閉鎖不全症)、心臓を包む心嚢という袋の中に出血を起こしたりすると、心タンポナーデを起こす。これらの合併症は死に至るものであり、大動脈解離が危険な病気である所以といえる。
また、急性大動脈解離においては破裂や心タンポナーデのみが危険と言うわけではない。解離によって偽腔が重要血管を閉塞すると、脳梗塞、脊髄梗塞、腸管などの消化管虚血、下肢の虚血を引き起こす。重要臓器に対する虚血が起きた場合の救命率は手術を行い得た場合でも70%以下であり、血管疾患の中でも特に重篤なものである。

かように重篤なものではあるが、手術で治癒された人も芸能人では加藤茶、大木凡人、笑福亭笑瓶など少なくない。そういう意味でも山本氏の場合は残念だ。心より御冥福を祈ります。

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