紅茶成分でノロ消毒=作用発見、商品化目指す―静岡県 だと?

健康・医療

時事通信 10月6日(木)19時7分配信

 静岡県は6日、紅茶に含まれるポリフェノールの一種「テアフラビン類」に、ノロウイルスを消毒する作用があることを世界で初めて発見したと発表した。県内の企業と連携し、植物由来で体に優しい消毒剤の商品化を目指す。

テアフラビン類は、紅茶の赤色のもとになる色素で、茶葉の発酵過程で生成される。

県環境衛生科学研究所はマウスとネコ、ブタの細胞に、人のノロウイルスに近いウイルスとテアフラビン類を混ぜた液を与える実験を行い、ウイルスが細胞に入り込むのを防ぐ作用を発見した。実験に使った3種のウイルスの感染力を約1000分の1に低減できたという。

ノロウィルス

ノロウィルス

ノロウイルスは感染力が強く、次亜塩素酸ナトリウムや加熱が有効な消毒方法とされるが、金属が腐食したり、手指に使用できなかったりするといった問題点があった。県は、より安全な予防法の開発が新たな産業につながるとして研究を進めていた。 同研究所の小和田和宏医薬食品部長は「静岡県名産の茶葉を使い、人に優しい消毒剤を作りたい」と話した。

秋から春先にかけて、冬期の嘔吐下痢の代表ウイルスとして生牡蠣からの感染でおなじみになったノロウイルスや、年初2月から3月にかけて乳幼児がよく感染するロタウイルスがあるが、夏場の「細菌性」に比べ冬場の原因としてこれらのウィルスが犯人にクローズアップされたのは、一つにはウィルスが検出可能になったことが大きい。しかし、検出されることと、予防、治療は別の話。外出先から帰ってまず手洗いうがい、が基本的な感染予防であるが、感染力が強く種類もさまざま存在するために、これといった決め手に欠けるのが歯がゆいところだ。感染力が強いということで、一度感染が認められると集団感染という事態になりやすく、これまた頭の痛い相手である。
静岡県は県の主要産物であるお茶のさらなる需要喚起のために、お茶が本来持っているさまざまな抗菌作用に注目し、それを応用するべく研究をしてきたのであろう。今回の発表は、お茶といえば持ち出される「緑茶カテキン」ではなく、発酵過程を経た「紅茶」の「ポリフェノール」であることころが面白い。紅茶ポリフェノールもその抗菌、抗酸化作用が以前より言われてきているが、緑茶産地の静岡県が緑茶にこだわり過ぎずに紅茶まで対象を広げていることに、研究の筋の良さを感じる。ま、紅茶も元を正せば緑茶なわけで、それはそれで当然なのかもしれないが。強力なウィルスに、人体に負荷をかけない優しい成分で、その感染力を1000分の一に抑えられれば、乳幼児やお年寄りなど体力のない人々にこれほど嬉しいことはない。

動物細胞での実験は良好なようで、ぜひ実用へ、更に言えば社会貢献的な安価な商品を実用化していただきたいと願います。