栗原類がNHK「あさイチ」番組内で発達障害を告白。 だと?

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栗原類、発達障害を告白 8歳の時に判明「人に合わせられない」

スポニチアネックス 5月25日(月)

栗原類 モデルの栗原類(20)が25日、NHK「あさイチ」(月~金曜、前8・15)に出演。発達障害のひとつである注意欠陥障害(ADD)であることを告白した。
この日の「あさイチ」は番組内で「増加!夫の発達障害 苦悩する妻」を特集。栗原はゲストとしてスタジオに生出演し、米国に住んでいた8歳の時にADDと診断されたことを明かした。言語的なことだけではなく、行動的な場面でもおかしいと思った担任教師が栗原の両親に受診を提案。検査したところ「ADD」と診断されたという。
障害の症状については「人に合わせられなかったり、決め事やこだわりが強い」と説明。例として「冷蔵庫の中で、いつもお茶が置いてある場所に違うものがあると気持ち悪くなって置き直してしまう」と話した。
番組内では結婚後に配偶者が発達障害であることが判明し、悩む主婦の声などを取り上げた。栗原は「親や主治医が早い時期に(障害を)言ってくれて、弱点というか、自分ができることとできないことがより分かりやすくなった。そういう周りの環境があるから、今がある」と早期の解明の大切さを説いていた。
栗原はイギリス人の父と日本人の母の間に生まれ、長身のイケメンでありながら後ろ向きな発言に終始する“ネガティブ過ぎるモデル”としてブレーク。バラエティ番組などで活躍してきた。

幸いなことにアメリカでの担任教師の判断が適切で診断がなされたようだが、日本だとこのような判断が行われるのか疑問もある。名前こそ「障害」と付けられているが、ある意味での個性であり、社会的順応への個人的なタイムラグだと捉え、周囲の理解とサポートがあれば社会の中で生きていくことは十分に可能であり、場合によってはタイムラグが追いついて生活する上では解消される場合もあるようだが、根本的な治療法は未だに見出されてはいない。栗原さんの場合軽症アスペルガー障害との合併もみられるようだが、見方を変えれば「センシティブ」で「デリカシー」のある子供だと見えなくもない。本来個を埋没させることへ向かう日本の教育では、発達障害から来る「差」が浮き彫りになり、皮肉なことに診断が行いやすい環境にあるはずだが、個性を重んじる米国での教育者が気付いたということは、個々の教育者の責任感、意識の問題もあるのだろう。日本はお手軽な公務員職としての教師、または志望者が多く、本来あるべき教育への責任感や情熱は期待できないだろう。そういう点も含め、まだまだ我が国では発達障害そのものへの理解も対応も不十分であろう。さらに言えば、現政権が目指す「国民より権力者自身の幸せを優先する」という状況では、弱者へのサポートはないがしろにされる傾向が強く、下手をすると発達障害さえもが「自己責任論」で片付けられかねない。栗原さんがNHKである種のカミングアウトを行ったことは、発達障害を持つ子どもやその親御さんにとっては心強くもあるだろうが、実社会の中での偏見や足かせがどこまで解消されるかは甚だ心もとない。弱者を切り捨て、力に媚を売り権力基盤の源泉を求めるような無能政治を選んだこの国の悲劇だろう。

●発達障害について > 厚生労働省による簡易版の説明