工業デザインの草分け栄久庵憲司氏が死去 享年85

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栄久庵憲司氏が死去 工業デザインの草分け

日本経済新聞 2015/2/9

榮久庵憲司 秋田新幹線「こまち」や多くの企業のロゴマークなど工業デザインの草分けとして知られるデザイナー、栄久庵憲司(えくあん・けんじ)氏が8日午前3時57分、洞不全症候群のため東京都内の病院で死去した。85歳だった。連絡先は会長を務めるGKデザイン機構。本葬は3月17日午後1時から東京・増上寺大殿。
東京都出身。幼少期を米ハワイで過ごし、終戦後に広島へ。東京芸術大に進み、卒業後の1957年、GKインダストリアルデザイン研究所を設立した。
61年に製品化され、ロングセラーとなるキッコーマンの卓上しょうゆ瓶をデザインし、高い評価を得た。秋田新幹線こまち、JR成田エクスプレス、ヤマハのオートバイなどのデザインのほか、コスモ石油やミニストップなど企業のロゴマークも数多く手掛け、ビジネスにデザインの概念を定着させた。
89年に名古屋市で開かれた世界デザイン博覧会の総合プロデューサーや世界デザイン機構会長も務めた。79年にはコーリン・キング賞を受賞するなど海外でも高く評価された。

榮久庵世界展日本人なら誰でもキッコーマンの卓上醤油は見たことがあるだろう。時代の淘汰をものともせずに存在し続ける、いわゆる本物のデザインであろう。奇しくも昨年終わりに広島県立美術館で榮久庵氏の仕事の集大成とも言える展覧会があったばかりである。日本のインダストリアルデザインをデザインたらしめた先駆者としてその足跡は大きい。心よりご冥福をお祈りします。

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