NHK NEWSWEB 3月2日 15時30分
「あの時君は若かった」などの曲がヒットした「ザ・スパイダース」の元メンバーで、「我が良き友よ」などの曲でも知られるミュージシャンのムッシュかまやつさんが1日、すい臓がんのため亡くなりました。78歳でした。
ムッシュかまやつさん、本名、釜萢弘さんは、昭和39年にバンド「ザ・スパイダース」に加入し、「あの時君は若かった」などのヒット曲を出しました。
昭和45年の解散後は、アニメ「はじめ人間ギャートルズ」のテーマ曲の作曲を手がけたほか、歌手としては、吉田拓郎さんが作詞作曲した「我が良き友よ」が大ヒットしました。
音楽活動を続けるかたわら、「時間ですよ」などのドラマや映画、テレビCM、バラエティー番組などに出演し、ニット帽をかぶり、軽妙な語り口で楽しげに話す姿が親しまれました。
また、幅広い世代の人とともに音楽活動をしていたことでも知られ、70歳を超えても10代や20代の若者とバンドを組むなど、若い世代にも影響を与えました。
ムッシュかまやつさんは、おととし、すい臓がんが見つかり手術を受けましたが、去年の検査で肝臓に転移していることが分かり、通院治療を行っていました。
その後、去年8月に脱水の症状で緊急入院し、翌9月に予定していたコンサートを急きょ中止していました。所属事務所によりますと、去年10月末に退院し、療養を続けていましたが、1日午後6時すぎ、すい臓がんのため、東京都内の病院で亡くなったということです。
葬儀は近親者のみで行い、後日、お別れの会が開かれる予定です。
当サイトでも報じているが、昨年の9月に所属事務所を通じて「5月に肝臓がんであることがわかり、その後のコンサートを中止し、治療にあたる」ことを公表されてたが、そこでは書面での本人コメントとして「絶対復活するから心配しないでください!それまでいろいろご迷惑おかけします!」という前向きな気概をみせておられました。今回の報道で、一昨年には膵臓がんが見つかっており、去年の肝臓がんの公表の際にはすでに膵臓がんの手術後だったようで、お歳の割には転移や経過の進行が早いのは、ある意味膵臓がんの生存率の低さを象徴しているようで残念です。膵臓がんは、「膵管がん」と呼ばれるように、ほとんどの場合(90%以上)膵管の細胞にできるがんです。また膵臓がんは、胃・十二指腸・小腸・大腸・肝臓・胆のう・脾臓などに囲まれたからだの深部にあるために、胃がんや大腸がんのように初期の段階での発見が難しいこともあります。見つかったときには、手の施しようがないとか、転移した先で見つかるとか、いずれにしてもやっかいであります。今、各方面であらゆるがんの早期発見に向けた研究が進んでいますが、膵臓がんなどの早期発見が難しく、生存率の低いがんにこそ新たな手法、テクノロジーによる発見と治療が進むことを願います。それにしてもお酒と煙草は膵臓がんのリスク因子。アーティストの世界観がますます健康志向に変わっていくのでしょうね。それはそれで、なんだかなー。ともかく、グループ・サウンズ時代を駆け抜け、存在感のあるキャラクターが素敵だったムッシュのご冥福を心よりお祈りいたします。
![]() 1939〜MONSIEUR(サンキュー〜ムッシュ) [ ムッシュかまやつ ] |