コレステロール制限必要なし=食事摂取で新見解―米当局
時事通信 2月20日(金)
【ワシントン時事】健康維持のため食事による取り過ぎには注意が必要とされているコレステロールについて、米当局は19日、摂取量を制限する必要はないという新たな見解を発表した。「コレステロールは過剰摂取を心配する栄養素ではない」と明言している。
米厚生省と農務省が設置した「食事指針諮問委員会」が報告書を公表した。各種調査結果から「食事によるコレステロール摂取と(動脈硬化などの病気の危険を増すこともある)血清コレステロールの間に明らかな関連性はない」と結論付けた。
CNN 2015.02.20
米厚生省と農務省が5年ごとに発行している米国人の食生活に関するガイドラインの改訂に向けて、専門家でつくる諮問委員会が「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素とは見なさない」とする見解をまとめた。
この見解は食事ガイドライン諮問委員会がまとめた2015年版の報告書に盛り込まれた。「これまでのガイドラインでは、コレステロールの摂取は1日300ミリ以内に抑えることを勧告してきた。2015年版のガイドラインにはこの勧告は盛り込まない。食事によるコレステロールの摂取と血清(血中)コレステロールの間に特段の因果関係はないことが実証されている。コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素とは見なさない」と明記している。
コレステロールはこれまで50年以上の間、米心臓協会なども警告の対象としてきた。しかしクリーブランドクリニックの心臓血管専門医、スティーブン・ニッセン氏によれば、「飽和脂肪とコレステロールを制限しなければならないという考え方のために、米国人はバランスの取れた食事から糖分の多い食事へと移り、食べる量が増えてさらに太った」という。
諮問委員会では飽和脂肪や糖分、ナトリウムの摂取量を抑えた食生活を奨励している。
米厚生省と農務省は同報告書などをもとに、改訂版のガイドラインを発行する
従来から高脂血症などの血清コレステロールと食事との関連には疑問の声が多く、もともと人間のコレステロールのうち、食事から摂るものは体内で合成される量の3分の1から4分の1といわれている。また、コレステロールそのものを悪者扱いする「薬事利権」サイドのあれこれもあり、血液検査で少しでもコレステロール量が高値であれば、待ってましたとばかり「スタチン」が処方される。ようやく最近になって「悪玉」「善玉」などという得体のしれないラベル貼りは減ってきたが(そもそも悪玉も善玉も正体は同じコレステロールである)まだまだスタチンの溢れんばかりの処方が続けられている。今回発表があったアメリカではLDL180以上まで薬剤投与などの治療はしない。確かに心疾患系の問題にはスタチンが有意に効果があるとのデータは出ているが、本来コレステロールは脳機能や細胞膜を作ったり、筋肉を作るホルモンの原材料となる欠かせない人間に必須の栄養素。長寿高齢化の現在、安易な医薬品メーカー丸抱えの論文ではなく、今一段の研究が必要な気がする。
外部サイト>キューピー コレステロールについてわかりやすく解説しているサイト
アメリカ合衆国保健福祉省(United States Department of Health and Human Services, HHS)
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