マツコはなぜ人気なのか?毒舌でも炎上しない“納得の理由”
女性自身 3月17日(火)
13日発表の『タレントイメージ調査2015』好きな男性タレント1位に輝いたのは、阿部寛(50)でも福山雅治(46)でもない意外な人物だった。それはマツコ・デラックス(42)!!
4月から3本の新番組が決まり、計9本のレギュラー番組を持つマツコ。出演番組は軒並み視聴率が上昇すると言われ、月曜日から土曜日まで“夜のお茶の間”を独占している。 毒舌キャラなのに、なぜここまで人気があるのか。テレビ局スタッフのAさんはこう語る。
「マツコさんの発言は、すべて自分がその場で実感した“生の言葉”です。台本も用意するのですが、必ずと言っていいほどその通りには話してくれません。それでも局としては、安心感を持って起用できます。それは“炎上”しないから。実は、マツコさんが叩くのは強者だけ。弱者には優しいんです。だから、決して上から目線にならない」
小学校のころから、マツコはセクシャルマイノリティだった。94年にゲイ雑誌『バディ』(テラ出版)の編集者として働いた後、パン工場や建設現場で働いた経験も。『バディ』に復職して4年間務めたが、やがて退職。その後、2年間に及ぶひきこもり生活を送っていたという。だからこそマツコの発言は優しく、社会の矛盾に対して怒りを露わにするのだ。
「上司にこびへつらうスタッフには情け容赦ないほど厳しい。でも現場で人知れず頑張っているADには『よくここまで調べてきたね』と褒めてくれる。お祝い事があるとポケットマネーで5万円や10万円のご祝儀をくれたりもする。そんな器の大きさがある人です」
現場でマツコは「汗をかいて調べること」とスタッフに言い聞かせ、自身もまた並々ならぬ情熱を持っているという。別のテレビ局スタッフのBさんは言う。
「マツコさんは、お金のことで文句を言いません。ギャラは1本30万円ほど。これはひな壇クラスで、破格の安さです。そんな状況でも、マツコさんは衣装をいつも自腹で作ってきます。『ギャラが全部、衣装代に消えていくわよ!』と嫌みの一つも言われていますが」
加熱するマツコ人気。テレビウォッチャーの堀越日出夫氏は、こう分析する。
「マツコさんは“最強の素人”です。自分の人気を過信しないところがあって『この人気もいつまで続くかわからない』と冷静に見ている気がします。だからこそ、体制におもねらない本音の発言ができるのでしょう。最近は何でもズバズバ言わなくなって、一瞬考えてから発言するようになった。つまり、マツコさんは今なお進化しているのです」
わかるなぁ。確かに毒を吐いているようでも弱者に向けてではないというのが分かる。それも計算というかアザトクそうするのではなく、ぎりぎりの所で自分の発言をちゃんと図っている気配を感じる。何もかも恵まれた世襲のバカ権力者にはない、セクシャルマイノリティとしての社会での経験から、一種の皮膚感覚としての社会正義が備わっているのかもしれない。自分の権力の拡大のために弱者をどんどん切り捨てるのが平気な空気、必要悪という悪を正当化するようなこの国の嫌な空気の中で、誰もがそれほどバカではないということを、この結果が表しているような気がする。でき得るなら単なるガス抜きで終わらないような存在になっていただきたいが、そこまで突出しないこともまた彼が評価されている部分なのかもしれない。