「相棒」ぶち壊し最終回にネット上で怒りの声 だと?

相棒最終回テレビ・ラジオ

天才的頭脳の右京がどうして見抜けなかった? 「相棒」ぶち壊し最終回にネット上に怒りの声が溢れる

J-CASTニュース 3月19日(木)

相棒最終回 テレビ朝日系ドラマ「相棒」シーズン13が2015年3月18日に最終回を迎えたが、その内容が3年続いた今回のシリーズをぶち壊すものだったとして批判が溢れている。水谷豊さん演じる杉下右京警部の3代目の相棒、成宮寛貴さん演じる甲斐享巡査部長が実は有名な暴行犯だったことがわかり逮捕される、という結末だったからだ。 つまり、熱血で正義感溢れる巡査が実は犯罪者ということを、天才的頭脳を持つ警部がそれを3年間も見抜けなかったのは物語として破綻している、ということらしい。ドラマが終了してすぐに「報道ステーション」が始まり、キャスターの古舘伊知郎さんが「相棒」の終了に関するコメントで噛んでしまい、「古舘も動揺しているw」などと笑いも起きた。

「相棒、見覚え、え?とっても見ごたえが…」

「相棒、見覚え、え?とっても見ごたえがあったのではないでしょうか?」
「報道ステーション」のオープニングコメントで古舘さんがなぜか噛んでしまった。「報道ステーション」の直前に放送していたのが「相棒」シーズン13の最終回で、続けて見ていた人たちの笑いを誘ったようだ。ツイッターなどには、
「相棒の展開があんなのだったので思わず噛んでしまう古舘さん」
「古舘さんまでもあんなに動揺させるなんて…」
「後味悪い終わり方だった。そして直後の報道ステーションの出だしで噛む古舘伊知郎(笑)」
などといったコメントが出た。
噛んだ原因が「相棒」の内容にあるのかは分からないが、最終回の展開がこれまでの3年間をぶち壊すのものだとしてネット上に怒りの声が溢れたのは確かだ。
水谷さん(右京警部)の相棒の成宮さん(甲斐巡査部長)は2012年10月の「相棒シーズン11」から登場し、スカウトという形で特命係に配属されタッグを組んで数々の難事件を解決してきた。右京からは「カイト君」とあだ名で呼ばれ、熱血で正義感溢れる甲斐も右京の天才的閃きと行動力に心酔し、警察官として人間として成長していく、といった展開だった。ところが、最終回の2時間スペシャルの結末は、甲斐の逮捕と、甲斐の上司である右京の「無期限停職処分」という思いもかけぬものだった。

取ってつけたような展開が続き、矛盾だらけだと批判

最終回のストーリーは要約するとこんなものだった。

甲斐は3年くらい前から正体を隠して暴行を繰り返し、警察から追われていた。ターゲットは元暴力団や暴走族で、世間では義賊扱いされ「ダークナイト」と呼ばれるちょっとしたヒーローになっていた。暴行を始めたきっかけは親友の妹が刃物で刺され殺されたためで、親友に代わってその犯人を半殺しにした。なぜこの一回で暴行を止めなかったかといえば、ヒーロー扱いされたことが心地よかったことがあるらしい。
甲斐の父親の警察庁次長は、右京の存在が大きな壁になっていて、嫉妬にかられた甲斐は「ダークナイト」になり、右京を出し抜き優越感に浸ろうとしたのではないか、などと説明した。「ダークナイト」の存在は新聞記事になり、右京はそれを読んでいるのだが、まさか甲斐だとは全く気付かなかった。そして「ダークナイト」の成りすましが現れたことが事態を急展開させる、というのが最終回だった。

放送終了後ネットでは、取ってつけたような展開が続き、矛盾だらけだと批判が溢れた。そもそもこの3年間の放送のなかで、甲斐が犯罪を犯しているイメージすら全く感じさせていない。しかも、天才的頭脳を持つとされる右京が3年間も一緒に仕事をして土壇場まで見抜けなかったというのも無理がある。また、これまで悪を追い懲らしめてきた甲斐の行動とは何だったんだ、といった様々な疑問が出ている。
「相棒というタイトル否定じゃん」
「あのさぁ…今後、カイト編の再放送どんな気持ちで見たら良いの…?」
「いっそのことカイトには死んで欲しかった。あの3年間は一体何だったんだよ」
などといった不満が漏れた。また、今回の最終回で右京が無能さを曝け出したことに注目し、新シリーズではマンネリが解消され新しい右京を見ることができるかもしれない、などと感想を述べる人もいた。そして成宮さんに代わり、シーズン14からは誰が水谷さんの4代目相棒になるのかも話題となっている。一部報道では織田裕二さん、稲垣吾郎さん、仲間由紀恵さんなどの名前が候補として挙げられている。

確かに最終回ということで、何かドラマチックで驚きの結末を!という方向を狙いたいのはわかるが、それにしても稚拙というか無理があるというか、ハナからネタバレしてそうなシナリオに「これは視聴者を下に見ている最近流行りの、上から目線企画なのかな?」と思ったが、それにしても小学生対象じゃないんだから、設定が強引すぎて演出の一つ一つにうんざりしてしまう出来だった。主役キャラクターに「全くの伏線が無かった」こともシナリオの苦しさを増幅させている。要は「とってつけた最終回」という視聴者の感想が正鵠を得ているだろう。人気シリーズにも駄作があるということだな。いちおう次回作への伏線として水谷豊の「無期限停職」処分を設定したのは、次シリーズ初回作への橋渡し的な設定として理解できる。次シリーズはキャスティングそのものが話題を呼ぶようなことになるのだろうけど、ペラペラドラマが横行する中で、見応えのあるドラマを頑張って作り続けてほしいものだ。ところで次の相棒は?織田裕二は他局湾岸署役のイメージが染み付きすぎだし、局間での大きな手打ち的調整がないと「湾岸署から異動」はムリだろう。稲垣吾郎は杉下右京とキャラがカブり気味。となると、初めての女性相棒ということと、今まで十分に当ドラマ内に役を持って出演し、キャラクターも作れてきている仲間由紀恵が大本命だろう。