AFP=時事 9月4日(日)
【AFP=時事】米食品医薬品局(FDA)は2日、19種類の殺菌剤を含有する抗菌せっけんなどの販売を禁止すると発表した。通常のせっけんと比べて優れた殺菌効果があるとは言えず、健康に悪影響を及ぼすリスクがあると警告している。
19種類の殺菌剤のうちトリクロサンとトリクロカルバンは抗菌効果をうたう固形せっけんや液体せっけんに広く使用されているが、免疫系に打撃を与える恐れがあるという。
FDA医薬品部のジャネット・ウッドコック(Janet Woodcock)氏は、「抗菌せっけんには細菌増殖を防ぐ効果があると消費者は考えているかも知れないが、通常のせっけんと水で洗うよりも有効であることを裏付ける科学的根拠はない」と明言した。その上で「殺菌剤が長期的には益より害になる可能性を示したデータもある」と説明した。
今回の販売禁止対象には、病院などの医療機関で使用されている手の消毒薬などは含まれていない。抗菌せっけんのメーカーには1年以内の対応が義務付けられるが、問題となった殺菌剤の使用をやめる動きも既に始まっている。
FDAは「通常の石鹸と流水で洗うことは疾病を予防し、感染拡大を防ぐ上で最も効果的な方法の一つだ」と述べた。また、石鹸と水がない場合には、アルコール濃度が60%以上の消毒薬を使ってもよいと付け加えた。【翻訳編集】 AFPBB News
手洗いは、何かにつけ医師が推奨する予防対策のひとつではあるが、そのメカニズムは表面に付着しているゴミや細菌を「洗い流す」ことがメインである。殺菌成分や抗菌成分はあくまで付帯的なものだと思われるが、世間はマーケティングに有利であるということで、やたら「抗菌」「殺菌」をうたう商品に溢れている。それにしても「科学的根拠無し」と一刀両断にできるのはアメリカのすごいところだ。逆に日本の場合、複雑怪奇な利権構造の中、消費者や国民より、官僚、政治屋、産業側に有利な情報ばかりが当局側から流される。(もちろん資本主義のアメリカだから各種軍事物資や有名なアセスファルムKみたいに一部には政治屋の利権でゴリ押し正当化、認可される例もある)それにしても今回の発表や販売禁止、一年以内の対応義務とか、国民納税者の方をしっかり向いたアクションにはアメリカという国の良心を感じる。石鹸は普通の無添加石鹸で良い。
FDAの該当リリース(英文)
FDA issues final rule on safety and effectiveness of antibacterial soaps