「フリマアプリ」次々登場 手軽に不用品売買、手作り品も人気 だと。

インターネット

産経新聞 10月7日(火)12時0分配信

家庭の不用品を商品として並べるフリーマーケット(フリマ)では、思わぬ掘り出し物を発見したり、売買を通じた会話の楽しさがある。そんなフリマの要素を盛り込んだスマートフォン専用の個人間取引アプリ「フリマアプリ」が次々に登場し、不用品や手作り品を手軽に売買する手段として注目を集めている。(日野稚子)

◆短時間で売買

「衝動買いして着なかった服やファッション雑貨が大量にあって捨てていた。正直、もったいないなと思っていた」と話すのは、東京都内在住の契約社員の女性(31)だ。若い女性に人気のフリマアプリ「フリル」を利用し、1年半で服や靴、小物など135点を販売、150点を購入した。「スマホがあれば、いつでも気軽に安く買い物できるし、不用品も片付いた。普通のお店での衝動買いもなくなった」
フリマアプリはスマホで商品を撮影して手軽に出品できる売買のしくみで、ここ数年、次々と新しいアプリが登場している。出品者があらかじめ決めた金額で売買が行われるため、入札方式のネットオークションに比べて短時間で売買が成立するのが大きな特徴だ。
利用法はまず、アプリをスマホにダウンロード(DL)して会員登録。出品する商品の写真をスマホのカメラ機能で撮影し、商品の状態や販売価格などを記載の上、出品する。
購入が決まったら、買い手は運営会社に入金。商品到着後、売買が成立すると、売り手には販売額から販売手数料を引いた額が支払われる。販売手数料は10%が一般的だ。

◆手作り品も人気

平成24年7月、初のフリマアプリとして登場した「フリル」は女性専用だ。DL数は約190万件で、1日数万点が新規出品され、月間売買成立額は5億円を突破。現在、総出品数約600万点のうち手作り品が30万点を占める。「他の人が買った手作り品を気に入り、『私にも作ってほしい』とのリクエストに応じた受注型販売が自然発生した結果、売買成立額の3割程度が手作り品」と運営会社のファブリック広報マネージャーの永里元気さんは話す。
デジタルアイデンティティが運営する「ママモール」は子育て中の女性支援アプリの顔もある。出品は子供服やおもちゃが主流で、自己紹介に子供の年齢などを記載する会員も多い。同社メディア事業部の山本雄貴部長によると、「取引だけでなく、育児に関する情報交換など、ママ友の井戸端会議に似た交流が起きている」という。
アプリDL数500万件、新規出品が1日10万点以上を誇る「メルカリ」の特徴は利用者の年齢層が幅広いこと。スポーツ用品や家具など商品カテゴリーが豊富で、月間売買成立額は数十億円に達する。無料通信アプリ、LINEも昨年末から「LINEモール」で個人間取引を開始。今年3月からは販売手数料を無料化し、利用者の獲得に乗り出している。
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■仕組みは発展途上、トラブルも発生

気軽な売買が可能で人気のフリマアプリだが、トラブルも発生している。電子商取引に関する相談を受ける一般社団法人ECネットワークによると、「買ったブランド品が偽物だった」という相談が多く寄せられている。また、運営会社が禁止しているにもかかわらず、「安くするから直接メールでやりとりしよう」などと直接交渉を持ち掛けられたり、支払い後に連絡が取れなくなるケースもある。
ECネットワーク理事の原田由里さんは「短時間で楽に取引ができる良いサービスである一方、仕組み自体は発展途上。悪意ある出品者が紛れ込む隙もある」と指摘する。
国民生活センターにも同様の相談が寄せられているといい、同センター相談情報部の遠藤陽介さんは、「個人間取引では消費者保護の関連法を適用するのは難しい。運営会社によってトラブル時の介入度合いも異なるので、利用規約をきちんと読んで使ってほしい」と呼びかけている。

フリマアプリは今が旬。運営会社は自己責任の名のもとに、消費者保護よりも自分の利益を最大限に優先する、いわば今の成長企業。今後「自己責任」という名のものとにトラブル対応を放置することで、徐々に鎮静化し、例によって運営企業は頃合いを見てトンズラ、という図式が容易に想像できる。簡単に言えば、情報弱者を食い物にするプラットフォームビジネスだな。利に聡い韓国系LINEが参入するのもうなずける。トラブル対応がどうなるか?今後の動向に注視。