「サウンド・オブ・ミュージック」長女役 米女優シャーミアン・カーさん死去

芸能

CNN.co.jp 9月19日(月)

シャーミアン・カー
映画「サウンド・オブ・ミュージック」の長女リーズル役で知られる米女優のシャーミアン・カーさんが17日に死去していたことが分かった。73歳だった。公式サイトなどが確認した。
遺族によると、死因は認知症による合併症。
同映画で末妹のグレーテルを演じた女優のキム・カラスさんは18日、訃報を受け、カーさんは「優美だった」と悼んだ。

サウンドオブミュージック

遺族によると、サウンド・オブ・ミュージックでの成功の後、カーさんは結婚して映画界から引退。子ども2人を育てた。また、内装デザインを手がける会社も設立した。顧客には米人気歌手の故マイケル・ジャクソンさんも含まれており、2人は特別な友情で結ばれていたという。
シャーミアン・カー

同映画に登場するフォン・トラップ家の7人きょうだいを演じた俳優の中で死去したのはカーさんが初めて。男爵夫人を演じた女優のエリノア・パーカーさんは2013年に死亡していた。
サウンド・オブ・ミュージックは1965年の映画で、作品賞を含むアカデミー賞5冠に輝いた。今や古典となっている同映画の劇中歌のうちの一つ、「もうすぐ17歳」はカーさんが歌ったもの。

時間の流れは思いのほか早く、時代の中で輝いた名作を地味ながらも立派に支えていた人々がどんどん旅立たれていく。訃報が出て、米公式サイト「www.charmiancarr.com」はアクセス過多だろうか、繋がらなかった。サウンド・オブ・ミュージックは、1965年公開のロバート・ワイズ監督、ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画で、アメリカのミュージカル映画の金字塔の一つだろう。オーストリアの美しい風景と戦時に入る時代背景が上手く融合し、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン二世による傑作曲の数々と何より主役のジュリー・アンドリュースの圧倒的なパフォーマンスで大ヒットした。(当時20世紀フォックス社は、巨費と歳月をかけた超大作『クレオパトラ』の失敗で倒産も囁かれていたが、この映画の空前の大成功により経営を立て直すことができた。収入はアメリカだけでも7900万ドル、これは当時の配給収入記録の最高額らしい)同映画から出た曲はジョンコルトレーンが好んで取り上げた「マイ・フェイバリット・シングス 私のお気に入り」やあまりにポピュラーになって子供達にも愛された「ドレミの歌」が、「エーデルワイス」などリチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン二世の名曲が並ぶ。(最近はトヨタのミニバンのCMでも、ロケ地ザルツブルグというまんまの設定で使われていた。)(私が好きな曲、ペギー・ウッド演じる修道院長が感動的に歌う応援歌?「Climb every mountain すべての山に登れ」は初演公開時には本編からカットされていて、サントラには入っているという不思議な構成。どうやらこの歌は吹き替えだったようで、リバイバル版以降に復活したようで、今出ているものでは、感動的なこのシーンは見ることができます)
長女リーズル役を好演したシャーミアン・カーは、この作品後に出産結婚し映画界を引退したようだが、映画の裏話の講演や内装デザイン業でそれなりに充実した人生を送られていたようだ。
小生も若い頃にこの映画の冒頭のシーン、鳥のさえずりからオーケストラの音が乗って行き、それに合わせて空撮から思い切りズームイン、寄り切ったところでジュリー・アンドリュースのタイトル曲のボーカルが入るという、なかなか感動的でインパクトのある演出にノックアウトされてしまった。
死因である認知症による合併症というと、おもに行動性機能の低下や不具合が考えられますが、73歳というのはやや早い気もします。残念であるが、心より御冥福をお祈り申しあげます。